以前けなげ組の記事を書いた。そのときに泣く泣く削ったところがある。それが、「幻のけなげ組」と「神様」の存在だ。神といっても万物の神ではない。「作品の神様」、つまり作者だ。
そして今、けなげ組界隈が大きな盛り上がりを見せている。いや、だいぶ盛った。盛り上がっているのは僕一人だ。でも聞いてほしい。今、長らく謎のベールをかぶってきた「幻のけなげ組」が次々と明らかになりつつあるのだ。どういうことか、今日は順番に説明していこう。
17人の「幻のけなげ組」
前回の記事で紹介できなかったことが二つある。その一つが「幻のけなげ組」だ。なぜ、幻なのか。それは、「絵と文がわかっていない」からだ。なぜ幻になってしまったのか。それにはけなげ組の歴史をたどる必要がある。
けなげ組が始まったのは1992年。そして幕を下ろしたのは2015年だ。つまり23年間も続いたことになる。
想像してほしい。10年、20年と続けていくと世の中の価値観は変わっていく。それは「けなげ組」も例外ではない。月日がすぎるにつれ、一部の会員は時代に合わないものとなっていった。そこで行われたのが、リニューアルだ。
一部のけなげ組のメンバーは入れ替えられ、一部のメンバーは文面が変わり、そして一部のけなげ組のメンバーは姿を消した。そして、ここからがポイントだ。その中の一部メンバーは、インターネットで探しても見つけることができない。
しかし、リニューアル前の手がかりは断片的に残っている。
一つ目の手がかりが「kawacolle」さんだ。
こちらには、リニューアル前のけなげ組がまとめられている。しかし、このページに載っているのは会員番号40番まで。
もう一つ手がかりがある。「ピクシブ百科事典」だ。
こちらには、詳細がわかっていない会員が「番号調査中」という項目でまとめられている。ここに一覧をのせておく。
1. 2月29日
2. 雑草
3. ハイヒールのかかと
4. バナナの皮
5. 乾電池
6. 国境線
7. 空き部屋
8. オゾン層
9. カッターナイフの刃
10. 靴の裏
11. 歯ブラシ
12. おから
13. 窓際
14. ペットボトル
15. 数字の4
16. 焼き鳥の串
17. ゴルフのティー
これらの手がかりから読み取れることがある。それは、名前以外は謎に包まれている「けなげ組」の会員が17人いるということ。絵柄さえわかっていない、まさにけなげ組の中でも最もけなげな存在。この17人を、僕は「幻のけなげ組」と呼ぶことにした。
神様が運営するけなげなブログ
記事で紹介できなかった二つ目のトピックが、「神様」の存在だ。作者の平本勝彦氏は1944年生まれ。現在もご存命だ。そして、今はブログをほぼ毎日更新している。
このブログ、なかなか味があって読んでいて楽しくなる。好きな俳句を挿絵とともに紹介したり、時には妻や飼っている猫への思いを記したり、さらには散歩して撮った写真を上げたり。
いつまでも更新してほしい。
さて、このブログでは、たまにけなげ組に関係した絵が登場することがある。干上がっていくアラル海の悲哀を描いたり、削られるかつお節に思いをはせたり。
じっくり見るほどじわじわ味がしみ出てくる。けなげ組を最初に見たときの気持ちってこんな感じだったっけ。こうして、日々の楽しみに「けなげ組の記事を読む」ことが加わった。
「幻のけなげ組」の登場
お待たせしました。ここから「幻のけなげ組」登場の話だ。
運命の9月27日。
この日も作者のブログに「けなげ組」の絵が投入された。ただ、いつもと違ったところが一つ。
その絵は描きおろしではなく、「けなげ組のパッケージ」の絵だったのだ。
「会員番号⑬ 電信柱」に「会員番号⑭ 2月29日」か。あれ、どこか違和感。こんなけなげ組いたっけ? 気になるし実際のパッケージを見てみよう。
そこにあったのは「会員番号⑬ 電信柱」に「会員番号⑭ あめんぼう」。
はっそういうことか! 理解した。この絵に描いてある「2月29日」は、「幻のけなげ組」の一人だ!
次々現れる「幻のけなげ組」
今日は新しいけなげ組が見られるかな。ワクワクしながらブログを見る毎日。ありがたいことに、そのあともけなげ組の絵がちょこちょこ投稿され続けていた。
10月29日には「ゴルフのティー」が登場した。
そして現在、最後に出てきた幻のけなげ組は、11月3日の記事の「ペットボトル」だ。
けなげ組が終了してから6年。小学生は中学生になっているぐらい、それなりに長い時間だ。それだけの間ずっと謎であり続けた「幻のけなげ組」。2021年にまさか拝むことができるとは。
現在明らかになったメンバーは17人中8人だ。残りは9人。
果たして彼らを拝める日は来るのか来ないのか。今日も期待をふくらませてブログを開く。いつか彼らと出会える日がくることを祈りながら。
最後に
日の光も当たらなかったけなげ組の17人。彼らに今、光が当たりつつある現状を伝えたいという思いで、気づいたらキーボードをたたいていた。
平成のはじめに始まり、平成の終盤に幕を閉じたけなげ組。これからは「平成レトロ」の一員になるのだろうか。だとするとけなげ組が平成の記憶として残り続けるといいな。この記事をとおして、少しでもけなげ組のおもしろさが伝わればうれしい。