ケータイが現れる前、待ち合わせはエンターテインメントだった。 会えるかなと期待と不安を抱いて駅に向かう。人の間をぬって、まちがい探しのように人を見て回る。 うまくいかないときに始まるのは、伝言板や公衆電話を使った空気読みゲームだ。 勝利条件は…
伊豆は珍スポットの聖地だ。 金塊を買ったら価値が上がりすぎて展示できなくなった「土肥金山」、歴史的な由緒がない「熱海城」など、変な場所がとにかく多い。 そんな伊豆を散歩していると、突然「野生の珍スポット」に出会った。 ネットで調べても情報はゼ…
小さいころもらった東京の地図が見つかった。懐かしいなと開くと、住宅地に「原発」の文字があった。 どういうこと? 実際に行って確かめてきました。 駅チカの原発 中学生のとき、東京の地図帳をもらった。大人の一員に足を踏み入れたような感覚に姿勢が良…
文明が花開いた明治時代は、どのようなスポットが人気だったのだろう。 今回は、116年前のガイドブックを使って熱海の観光をしてみよう。 実際に回って見えてきたのは、熱海が今でも人気の理由だった。 熱海、人を楽しませようとする熱量がすごい。 ※この散…
私鉄沿線の街では、私鉄を運営している企業が「生活の一部」になる。たとえば京王線沿いの住人は京王のバスに乗り、京王のスーパーを利用しすごしていく。それは小田急も東急も同じだ。 「京王井の頭線」の三鷹台駅を降りたとき、予想外の看板が目に入り足が…
映画の「翔んで埼玉」が好きだ。最初に見たときは人目に隠れて「埼玉ポーズ」をするマイブームが1週間続いた。 映画を見ていて一つ気になることがあった。「都会指数」だ。本編によると、「東京とつくスポットの数」が都会指数に影響するとか。 実際に求めた…
「ヨシッ堀田代」という場所があるらしい。頭に浮かんだのはヘルメットをかぶって指をさす生き物だ。 グーグルマップでも存在が確認できる。しかしレビュー数は0。 いったい何が「ヨシッ」なのか。謎めいた名前の場所には何がいるのだろう。 その真相にせま…
新しいことをする前にはちょっと憂鬱になりつつも、何かが起こるのを期待して気持ちが波のように揺れていく。 今、気分はsin関数だ。 11月11日、初めて「文学フリマ」に参加します。 c.bunfree.net 作った本の概要 今回、初めて同人誌というものを作った。そ…
ある日、20万円の地図本が95%引きで売られているのを見つけた。江戸~明治時代の地図だ。思わず買った。 1週間後、巨大な地図がとどいた。次の日、読んだだけで筋肉痛になった。 今回は、定価20万円の地図にふり回されながらも、本を使いこなして「新宿の妖…
いつもランニングをしている道がある。そこで目に入る姿があった。手元にはいつも飴を持っていて、通りすぎる人に笑顔を振りまいている「銅像」だ。その姿をながめていると、自然と心がほぐれ踏みこむ足に力が入っていく。飴を渡す人の気持ち、わかるぞ。 あ…
散歩をしていると「国威宣揚」と書かれた石碑を見つけた。普通こういうのには解説があるものなのに、立て札もなくそこにたたずんでいる。一体何者なんだろう。 調べて見えてきたのは、それぞれ違った余生をけなげにすごしている彼らの姿だった。 街かどの異…
日本で「きつねダンス」が流行っている。ある日、江戸時代の本を読んでいると「稲荷踊り」なるものを見つけた。そのとき脳内の翻訳アプリが動いた。「稲荷踊り -> きつね踊り -> きつねダンス」たしかに! 気になって調べてみると、「徳川将軍が見物した」と…
ココカラファインを知っているだろうか。白地にピンクのロゴが輝くあのドラッグストアだ。ある日、吉祥寺にまったく違った姿のココカラファインを見つけた。まるでパラレルワールドのココカラファインだ。おもしろそう。ちょっと深堀りすると、同じような店…
先日、114年前のガイドブック『伊豆新誌』を使って伊東の街を歩く記事を書いた。 dailyportalz.jp自然と歴史に温泉、そして景色。彼らの一部は現代を生き残るために形を変えつつも、多くは昔と同じ姿で迎えてくれた。 今回は、その中から削った場所を「番外…
2022年1月。自由ポータルZに送った記事が5回目の入選をした。そして今、デイリーポータルZに体験執筆として2本の記事を送り出し、少し一息ついているところだ。そんな今だからこそ、自由ポータルZを振り返ってみたい。 今回は自分の足跡を辿ってみます。 お…
">小学生のころ、ベイブレードにドハマりした。放課後には兄弟でひたすらコマをぶつけ合い、休日はおもちゃ屋に突撃する日々。当時はただ夢中だった。でも、今振り返ってみると思うのだ。あのとき、ベイブレードから「社会を生きるために必要な力」を教えて…
"> ">天下一品が大好きだ。ある日、突然のニュースに目が釘付けになった。天下一品カップ麺が発売されたのだ。気になる。どうせなら全力で味わいたい。天下一な場所で天下一品を食べたい。全力で張りきった結果、やりすぎた。 ">今回は、自戒の念をこめてこ…
「幻のけなげ組」を知っていますか? 以前けなげ組の記事を書いた。そのときに泣く泣く削ったところがある。それが、「幻のけなげ組」と「神様」の存在だ。神といっても万物の神ではない。「作品の神様」、つまり作者だ。 そして今、けなげ組界隈が大きな盛…
なみすけを探して歩いたら、なみすけの聖地にたどりついた。 東京都杉並区のゆるキャラ「なみすけ」がかわいくて仕方がない。杉並では愛されている彼。街を歩いているとちょこちょこ目に入る。もっといろいろな姿のなみすけが見たい。でもどうすれば。 そう…
「ご自由にお持ちください」を見たことがあるだろうか。最近、意識して探してみると住宅地には意外とあることに気づいた。中身はおしゃれなお皿から無骨なトレーニング器具までまさに十人十色。気づいたら写真を撮るようになっていた。 観察を続けていて発見…
この表情が見たいのだよ。 前回の記事ではAIの力を借りながら新しいけなげ組を作り出すことができた。二次創作を通じて満たされると思いきや、心は晴れず新たな葛藤が。それは「こんなにけなげにがんばっている彼らがなんで報われていないのか」という憤りだ…
先に言っておくと、これはAIじゃなくて自分で描いたものです。 せんべいが好きだ。大学のサークルの合宿でおつまみを用意するときも、持っていったのは柿の種だった。苦手な酒の苦みをひかえめな辛さが上書きしてくれるたのもしさ。ピーナッツがフォローする…
駅を利用していて目に入るものがある。それが駅の広告と飾りだ。時には旅行へのお誘い、時には新生活への応援メッセージだったりと幅広い顔を見せてくれる。 ある日、阿佐ヶ谷駅(JR中央線)を利用しているときに気になるものを見つけた。広告の横に張りぼて…
「河川水位警報機」というものがある。川があふれそうになったときに警告するスピーカーのことだ。その姿は縁の下の力持ちそのもの。出番は多くても年に数十回。防災無線のように毎日テスト放送をするわけでもなく、ひたすら川を見つめ続ける。なんてひたむ…
「石敢當(いしがんとう)」を知っているだろうか。石敢當は沖縄の魔よけで、沖縄の路地ではふつうに見ることができる。この風習、実は東京近郊にもちょっとずつ入ってきているのだ。 最近都会にある石敢當が、沖縄のものとは違った魅力を放っていることに気…
鬼ごっこにかくれんぼ。かつての外遊びたち。でもコロナがきっかけで大人数が集まれなくなった。どうしようか。ひらめいた。一人でやればいいんだ。 じゃあどの遊びをやろう。突然思った。だるまさんがころんだをやりたい。 ということで、今回は「だるまさ…
つまりこういうことです。 最近防災無線が気になっている。普段は夕方に音楽を流すだけの健気な存在。でも非常時にはみんなに情報を伝える頼りがいのあるやつ。人がいるところ防災無線あり。これだけ身近な存在ならどこか面白いところがあるはずだ。調べてみ…
何となく古地図を見ているときのことだった。中野駅の近くに大きな建物を見つけた。調べるとかつてそこには大正時代からの刑務所があったらしい。しかもウィキペディアによると、跡地には今でもレンガ片や土塁が残っているらしい! ところが、レンガや土塁の…
デイリーポータルZの新人賞が公開された。 dailyportalz.jp僕の応募作はのっていなかった。落選だ。正直佳作ぐらいは行けると思ってた。1日ぐらい落ち込んだ。 今回応募したのはこれ。 tenyard.hatenadiary.jp「中間発表」では選ばれていたし、自信はあった…
中学生のとき、先生のとある話が不思議と印象に残っている。それは「記憶に音楽を結び付ければ、その音楽を聴いたときに記憶をよみがえらせることができる」ということだ。そのときは結びつけかたがわからず忘れた。 しかし、この間ある音楽を聴いたときに突…